複数の都市で複数年かけて取り組む気候アクションプランの複雑なプロセスを合理化
従業員、IT スタッフ、人事スタッフのオンボーディングとオフボーディングを簡素化
リーダーや寄付者間の報告システムを改善し、チーム全体で仕事の透明性が向上
2010年、ロンドン、マドリード、ソウル、ワルシャワ、および他 20 の都市では、街を走る電気バスはわずか 100 台しかありませんでした。現在、その数はなんと 659% 増の 66,000 台を超えています。こうした結果が得られたのは、気候危機に立ち向かい、全世界であらゆる人々が成長していける未来を築く組織、C40 の活躍があってのことでしょう。C40 は、世界をリードする 100 近くの大都市と共にコラボレーションを行い、知識を共有し、現在緊急で必要とされる活動を推進しています。
同組織の IT マネージャーを務め、従業員 250 人の技術ニーズをサポートするのは Chris Schmalz 氏。彼がサポートするチームの 1 つに、全世界で行われる C40 のシティイニシアチブをコーディネートし、モニタリングする「評価・計画チーム」というチームがあります。同チームは、60 人のスタッフで力を合わせ、寄付者からの資金供給を受けるプログラムの KPI を達成し、電気バスプログラムのような気候アクションプロジェクトを前進させる取り組みに励んでいます。
世界中で気候アクション計画を展開する中、評価・計画チームの作業は複数のスプレッドシートやメールに分散してしまい、その結果サイロ化が生じ、スケーラビリティも制限されるという事態に陥りました。それに加え、仕事が 97 の都市で異なるタイムゾーンをまたいで実行されていたため、マネージャーたちは分散チームが抱えていた進行中のすべての作業を監督することに苦労していました。マネージャーたちは、同時進行される何百件ものプロジェクトの進捗を管理できるだけでなく、情報がリアルタイムに更新される、またチームがそうした情報にアクセスできる拠点としての役割を果たすツールを必要としていました。
そこで、マネージャーたちは Schmalz 氏に助けを求めました。C40 では、従業員がビジネスに関する課題の解決策を IT 部門に求めるときは、Schmalz 氏がチームのニーズに応じて、それまでに徹底的に吟味、精査されたソリューションを提供しています。彼は、従業員にワークマネジメントプラットフォームを提供しようと考えましたが、それには以下の要素が備わっている必要がありました。
柔軟性がある。スプレッドシートのようにただ計算ができるというだけではなく、C40 のすべてのチームが使用できるという意味での柔軟性
C40 の多岐に渡る作業に対応するさまざまなワークフローを強化できる
複数のタスクと広範なプロジェクトを管理できる
評価・計画チームがチームの作業を管理するためのツールを Schmalz 氏に求めたとき、彼は Asana を提案しました。
Asana を導入して以来、C40 はオンボーディングの際の包括的な研修や継続的な教育を行うようになり、物事が順調に進んでいます。ここ数年でコーポレートサービスチームが用意したオンボーディングプロジェクトでは、新規採用者が就業初日からそれぞれの役割をしっかりと果たせるよう、人事チームと採用担当者が主導して、新規採用者に機能プロセスと会社全体のプロセス、主要なプロジェクトを説明しています。また、IT チームは、Asana ガイド記事やオンライントレーニングへのリンクを含む、さまざまなリソースを会社のヘルプデスクシステムで提供しています。
評価・計画チームも、新しいチームメンバーがチームに加わる際には、類似のアプローチを取り、チームの具体的なワークフローを説明します。また、各新規採用者は、Asana を使って人事とのオンボーディングを行いますので、すぐに機能的なプロジェクトに取り組むことができます。
C40 では、すべてのチームが Asana を使って幅広い作業を管理しています。以下にその例をいくつか紹介します。
評価・計画チームは、計画の追跡や気候アクションの作業ステータスに関するディスカッションに Asana を使用することで、メンバー全員が共通認識を持てるようにしています。同チームは、各都市の気候アクション計画ごとに別々のプロジェクトを使い、各ステップが記載されたカスタムテンプレートを使って作業を開始しています。各計画は、およそ 50 個の作業パッケージ (「温室効果ガス削減計画を作成する」など) で構成されており、各都市が気候に関する目標を達成するのに役立てられています。各作業パッケージはタスクとして表され、数多くのサブタスクが完了するまでに数か月かかる場合もあります。チームのリーダーは、Asana を使って毎週の進捗確認や作業の進み具合に関する会話を円滑に進めています。
97 の都市で実行される各 50 個の作業パッケージ (ワークフローの合計数は 4,800 以上) を Asana で追跡することにより、評価・計画チームは、作業を管理しやすいステップに分割できます。また、そうすることが作業の実行方法や提携先を決定する際の指針となっています。チームがプロジェクトの進捗および KPI の達成に基づいて四半期に一度寄付者への報告書を作成できることは、同社の仕事に資金提供を行う人々に対して透明性を高め、最新情報を提供する上でも役に立っています。
NPO にとって予算編成は非常に大切です。C40 の場合も例外ではありません。Schmalz 氏は、Asana を使って組織が使用するソフトウェアの予算を管理、追跡しています。チームメンバーは、プロジェクトを使うことにより、購入のリクエスト・許可を行ったり、請求書を収集したり、調達チームの承認を得たりすることができます。プロジェクトのカスタムフィールドには、支払い済みの料金や請求金額などの詳細が表示されるため、Schmalz 氏とチームメンバーは予算の詳細を一目で俯瞰できます。
C40 は Asana を他のツールとも連携しています。Slack との連携を使って、チームのチャットを実行可能な Asana タスクに変換しています。また、チームは Velocity と Google スプレッドシートを使って、寄付者と主な関係者向けに KPI とプロジェクトの進捗を詳細なレポートに変換しています。こうした連携により、仕事が重複せず、チームが使用するさまざまなツール間で情報がつながることが保証されます。「仕事のための仕事」インデックスによると、仕事の重複は C40 だけの問題ではなく、世界的に見ても、従業員は他の誰かがやった作業に重複して取り組むことに毎年 236 時間も浪費しています。Asana の連携機能を使って、仕事を簡素化し、仕事の重複を防ぐ C40 は、たくさんの時間を節約しています。
Asana を使用することで、C40 は作業を 1 か所で管理、追跡し、部門間のワークフローと複雑なワークフローを簡素化できるようになりました。評価・計画チームでは、メンバーが以前よりも独立して作業を行えるようになっています。Schmalz 氏のチームは、オンボーディングやオフボーディングといった複雑なワークフローを分割することにより、メンバー全員が必要な作業とその担当者をしっかりと把握できるようになりました。Asana を使うことで、初日から仕事の進め方についてよい模範を示し、作業の見落としも防げるため、従業員は自信を持って作業を行い、C40 はグローバルな目標を達成できています。
Asana を使うことで進行中のプロジェクトの可視性が高まり、いつでも作業のステータスを確認できるようになったため、C40 のチームはミーティングの数を減らすことができています。さらに、Asana はチームが使用する他のツールと連携できるため、チームは情報を探すことに時間を浪費しなくなりました。Schmalz 氏は、IT の予算が常に最新の状態に管理され、関連情報も 1 か所に保管されるので、時間と予算を節約できるという安心感を得られています。
C40 は、今後数年の間に、社内で使用するツールから世界的な気候変動への対応までの統合をさらに進め、部門間でより緊密に連携した組織へと成長するという大きな目標を掲げています。同組織は、より迅速に、より効率的に気候変動への取り組みで結果を出せるよう、Asana を使って部門間のワークフローを改善し、組織全体でチームを連携できるようになることを期待しています。
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